甲状腺と高血圧の関係:甲状腺疾患が血圧に与える影響を解説

はじめに:甲状腺と高血圧の関連性とは?

甲状腺は、体内の代謝やエネルギー消費を調整する重要な役割を担っていますが、そのホルモンバランスの乱れが血圧にも影響を与えることはあまり知られていません。甲状腺ホルモンの過剰(甲状腺機能亢進症)または不足(甲状腺機能低下症)が血圧にどのように影響を与えるのか、そしてそのメカニズムについて、詳細に解説していきます。

甲状腺疾患を抱える多くの方々が、高血圧も併発していることがあり、適切な診断と治療が重要です。この記事では、甲状腺疾患と高血圧の関連性、治療方法、さらに当院で提供しているサポートについて説明いたします。

\1分以内でわかる甲状腺機能亢進症と高血圧症/

甲状腺ホルモンと血圧調整のメカニズム

甲状腺ホルモンは、全身のさまざまな機能に影響を与えますが、血圧に直接的な関係があることがわかっています。

  • 甲状腺機能亢進症と高血圧
    甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、心拍数が上昇し、心臓の収縮力が強くなります。その結果、動脈圧が上がり、高血圧が引き起こされることがあります。また、体内の代謝が活発になるため、血流の増加も促され、特に収縮期血圧(最高血圧)が高くなる傾向があります。

  • 甲状腺機能低下症と高血圧
    甲状腺ホルモンが不足すると、逆に代謝が低下し、血管が収縮しやすくなることがあります。この状態では、特に拡張期血圧(最低血圧)が高くなることが多いです。さらに、体内のナトリウム排泄が低下し、塩分が体内に蓄積するため、これが血圧上昇の原因になることもあります。
    厚生労働省 - 甲状腺の病気に関する情報

  • 日本甲状腺学会 - 甲状腺疾患について

  • 日本内分泌学会 - 甲状腺疾患について

甲状腺疾患による高血圧のリスクと症状

甲状腺の異常があると、血圧の変動だけでなく、さまざまな身体症状が現れることがあります。以下に、甲状腺疾患に伴う高血圧のリスクと典型的な症状を示します。

  • 甲状腺機能亢進症の症状
    ・心拍数の増加や不整脈
    ・体重減少、イライラ感、筋力低下
    ・多汗、息切れ、手の震え
    ・収縮期血圧の上昇

  • 甲状腺機能低下症の症状
    ・疲労感、体重増加、寒がり
    ・むくみ、便秘、皮膚の乾燥
    ・拡張期血圧の上昇

甲状腺機能異常により高血圧を発症すると、心血管系のリスクも高まるため、早期発見と治療が重要です。

当院での甲状腺と高血圧の診断と治療

甲状腺疾患と高血圧が疑われる場合、当院では包括的な診断と治療を提供しております。以下のプロセスで患者様をサポートいたします。

  • 血液検査
    甲状腺ホルモン(T3、T4、TSH)レベルを確認し、甲状腺の機能を評価します。これにより、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症の診断が可能です。

  • 超音波検査(エコー検査)
    甲状腺の腫れや結節を確認するための超音波検査を行い、疾患の有無を確認します。

  • 血圧測定とモニタリング
    定期的な血圧測定を行い、甲状腺治療中の血圧の変動をモニタリングします。高血圧がある場合、適切な降圧薬を併用し、血圧の安定化を図ります。

  • 治療方法
    甲状腺疾患による高血圧は、甲状腺の機能を正常に戻すことで改善することが多いです。甲状腺機能亢進症では抗甲状腺薬(メルカゾール)を用い、甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン補充療法(チラージン)を行います。また、必要に応じて、生活習慣の見直しや食事指導も行い、血圧の管理を徹底します。

当院でのサポート:甲状腺疾患と高血圧治療の専門的なアプローチ

 

当院「蒲田駅前やまだ内科糖尿病・甲状腺クリニック」では、甲状腺疾患とそれに伴う高血圧の治療において、患者様に合わせた個別の治療プランを提供しています。甲状腺ホルモンのバランスを整えることにより、高血圧の改善だけでなく、全体的な健康状態の向上を目指します。

  • 専門医による診療
    院長である山田朋英は、糖尿病・甲状腺・内分泌の専門医として、東京大学での豊富な経験をもとに最新の医療を提供しています。患者様一人ひとりに合わせた治療方針を立て、甲状腺疾患による高血圧の改善に努めています。

  • ライフスタイル改善へのサポート
    当院では、食事や運動、ストレス管理のアドバイスも行い、甲状腺ホルモンと血圧のコントロールを最適化するためのサポートを行っています。

  • オンライン診療・定期フォローアップ
    定期的なフォローアップやオンライン診療を通じて、遠方の方や多忙な方も安心して治療を続けられるようサポートいたします。必要に応じて、適切な治療の調整も迅速に行います。

甲状腺と高血圧の関係でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。専門的な知識と豊富な経験をもとに、患者様の健康をサポートいたします。

 

監修者プロフィール

院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性

  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
  • 日本内科学会 総合内科専門医

豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患の診断と治療を提供しています。

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