バセドウ病の名前の由来について

バセドウ病とは ─ 病名の意味を紐解く

バセドウ病(Graves-Basedow病)は、自己免疫による甲状腺機能亢進症の代表的疾患です。この病気の名前は、日本では「バセドウ病」と呼ばれますが、英語圏では「Graves' disease」として知られています。

この名称の由来には、19世紀のヨーロッパにおける医学の発展と、同時多発的に疾患の臨床報告がなされた歴史があります。

  • カール・アドルフ・フォン・バセドウ(Karl Adolph von Basedow, 1799-1854):ドイツの医師で、1840年に自らの患者に見られた動悸、眼球突出、甲状腺腫大の3徴を記述し、「Basedow病」と命名。

  • ロバート・グレーブス(Robert Graves, 1796-1853):アイルランドの医師で、1835年に同様の症状を呈する症例を報告。

このように、同時期に別の地域で同様の疾患を記述したため、名称が地域によって異なっています。

なぜ日本では「バセドウ病」と呼ばれるのか

日本の医学教育は明治時代以降、ドイツの影響を強く受けていたため、ドイツ語由来の医学用語が数多く取り入れられました。これにより、甲状腺機能亢進症における代表的疾患名も「Basedow病(バセドウ病)」として定着しました。

一方、英語圏では「Graves' disease」が標準となっており、国際的な論文や学会では混同を避けるため、「Graves-Basedow disease」と併記されることもあります。

最近のガイドラインと国際的な呼称の動き

目がかすむ症状が出た場合、すぐに医師の診察を受けることが大切です。糖尿病による目の問題は、放っておくと悪化し、視力が大幅に低下する恐れがあります。しかし、早期に発見し、適切な治療を行うことで、目の健康を守ることができます。定期的な眼科検診も重要です。

たとえるなら、目の中の問題は「早く修理するほど被害を小さくできる小さな水漏れ修理」のようなものです。放っておくと、大きな被害になってしまうことがあります。

バセドウ病の早期診断・治療と混同回避の重要性

名称の混乱がもたらすのは、単なる言語の違いだけではありません。患者がインターネット検索を行う際、または海外の医療情報を参照する場合、「Graves' disease」と「バセドウ病」の一致がないことで情報にたどり着けない、あるいは誤った認識を持つことがあります。

また、翻訳された医療資料やSNS上でも誤解が生じやすく、特に多言語対応が必要な医療機関においては、病名の併記や説明が求められています。

治療そのものは、名称に関係なく、抗甲状腺薬(メルカゾール等)、アイソトープ療法、手術のいずれかが選択されますが、診断の精度向上や患者理解を深めるためにも、名称の正しい理解は重要です。

当院でのサポート

 

蒲田駅前やまだ内科糖尿病・甲状腺クリニックでは、バセドウ病(Graves' disease)に対する診断・治療を専門的に行っています。

  • 分かりやすい説明:診断時には「バセドウ病=Graves' disease」と併記し、患者様が海外の文献や情報にアクセスしやすくする工夫をしています。

  • 症状の見える化:眼球突出や体重減少、手の震えなどの症状を図解などで説明。

  • 多言語資料の提供:外国人患者様にも対応できるよう、英語の疾患説明資料を用意しています。

  • 最新治療の提供:アイソトープ治療連携や手術適応判断、メルカゾールの副作用管理なども丁寧に行っています。

バセドウ病は早期発見と正しい知識により、生活の質を大きく向上させることができます。当院では、病名に関する不安や混乱にも丁寧に寄り添い、患者様の理解と安心を支える医療を提供しています。


監修者プロフィール

院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士(東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、20年間の専門の経験を活かし生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性

  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医

  • 日本内科学会 総合内科専門医

豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

 

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