内分泌内科とは?

内分泌内科って何?

 

内分泌内科は、体のさまざまなホルモンのバランスを調整する臓器に関する疾患を診断・治療する専門分野です。ホルモンは、私たちの体の代謝、成長、エネルギーの使用、さらには感情のコントロールにまで関与しており、これらのバランスが崩れると健康にさまざまな影響を与えます。内分泌器官としては、甲状腺、副甲状腺、下垂体、副腎、膵臓などが代表的で、これらが正常に機能することで、私たちは健康を保つことができます。

内分泌内科では、糖尿病、甲状腺疾患、副腎疾患、骨粗鬆症、肥満など、多岐にわたる疾患を診断し、治療を行います。ホルモンの分泌異常が全身の機能に影響を与えるため、内分泌疾患は、患者がさまざまな症状を訴えることがあり、専門的な診断と治療が必要です。

特に甲状腺や糖尿病などの疾患は、日本でも多くの人が悩まされている病気です。早期発見と適切な治療によって、患者のQOL(生活の質)を大きく改善することができます。内分泌内科の専門医は、これらの疾患を専門的に診断し、患者一人ひとりに適した治療プランを提供します。

甲状腺の病気にはどんなものがあるの?

甲状腺は、首の前側に位置する小さな器官であり、体全体の代謝を調節するホルモンを分泌しています。このホルモンの分泌異常が生じると、甲状腺疾患を引き起こします。甲状腺の病気には、主に以下のものがあります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺が過剰にホルモンを分泌し、代謝が過剰に活発になる病気です。症状としては、動悸、体重減少、手足の震え、発汗、疲労感などが挙げられます。バセドウ病は自己免疫疾患の一種であり、甲状腺が過剰に刺激されることで発症します。

甲状腺機能低下症(橋本病)
逆に、甲状腺ホルモンが不足する病気が甲状腺機能低下症です。橋本病は、甲状腺に炎症が生じ、徐々に甲状腺が破壊される自己免疫疾患です。症状には、疲労感、体重増加、寒がり、便秘、肌の乾燥などが見られます。

甲状腺腫瘍
甲状腺には、良性の腫瘍や悪性の甲状腺がんが発生することがあります。甲状腺腫瘍は、しこりとして発見されることが多く、超音波検査や細胞診で良性か悪性かを判断します。悪性の場合、早期の治療が重要です。

甲状腺炎
甲状腺に炎症が生じる病気で、痛みを伴う亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎などがあります。甲状腺の機能が一時的に乱れることが多く、症状が治まると正常に戻ることもありますが、適切な診断と管理が必要です。

甲状腺の健康状態を把握するために、甲状腺血液検査と甲状腺エコーは非常に重要な検査です。これらの検査を組み合わせることで、甲状腺機能の異常や腫瘍の有無などをより正確に診断することができます。

まず、甲状腺血液検査についてです。甲状腺は体の代謝をコントロールする重要なホルモンである「甲状腺ホルモン」を分泌しています。血液検査では、この甲状腺ホルモン(T3、T4)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を測定し、甲状腺機能の状態を確認します。特に、TSHは甲状腺機能のバランスを測る上で重要な指標です。TSHが高い場合、甲状腺の働きが低下している「甲状腺機能低下症」の可能性があり、逆に低い場合は、甲状腺が過剰に働いている「甲状腺機能亢進症」の疑いがあります。また、自己免疫疾患の一種である橋本病やバセドウ病の診断には、TSHレセプター抗体やサイログロブリン抗体などの検査も行われます。

次に、**甲状腺エコー(超音波検査)**について説明します。甲状腺エコーは、甲状腺に腫瘍やしこりがあるかどうかを確認するための検査です。超音波を使って甲状腺の状態を視覚的に確認できるため、痛みや放射線の心配がなく、体に優しい検査方法です。この検査では、甲状腺の大きさや形、結節(しこり)の有無やその性質を調べます。特に、結節が見つかった場合には、その大きさや境界のはっきりしているかどうか、内部の組織の様子などから、良性か悪性かの判断材料になります。悪性の疑いがある場合は、細胞診(細胞を取り出して調べる検査)を行うこともあります。

甲状腺血液検査と甲状腺エコーを併用することで、甲状腺に関するトータルな診断が可能になります。血液検査でホルモンバランスをチェックし、エコーで甲状腺の形態を確認することで、甲状腺疾患の早期発見や正確な診断が可能です。特に甲状腺疾患は、初期には自覚症状が少ないため、定期的な検査が重要です。

蒲田駅前やまだ内科 糖尿病・甲状腺クリニックでは、これらの検査を通じて、患者様の甲状腺の健康状態を詳しく把握し、適切な治療を提供しています。気になる症状がある方や、家族に甲状腺疾患の方がいる場合は、早めの検査をお勧めします。検査の結果に基づき、医師が適切な治療法を提案し、丁寧に説明いたしますので、安心してご相談ください。

厚生労働省 - 甲状腺の病気に関する情報

日本甲状腺学会 - 甲状腺疾患について

日本内分泌学会 - 甲状腺疾患について

どうして内分泌内科が必要なの?

内分泌内科は、ホルモンの異常に基づく複雑な病態を専門的に診断し、治療するために重要です。内分泌疾患は、多くの場合、初期症状が曖昧で気付きにくく、放置すると深刻な健康被害を引き起こすことがあります。例えば、甲状腺機能亢進症や低下症は、動悸や疲労感といった一般的な症状を引き起こすため、他の病気と見分けがつきにくいです。また、糖尿病などの病気は、血糖値を管理しないと全身に影響を及ぼし、長期的には心臓や腎臓、目などの臓器に重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

内分泌内科が必要な理由は、専門的な知識と経験がなければ、これらの病気の早期発見や適切な治療が難しいからです。さらに、内分泌疾患は長期的な治療が必要となることが多いため、継続的なフォローアップが不可欠です。内分泌内科の医師は、患者のライフスタイルや病歴を踏まえた上で、最適な治療法を選択し、定期的なチェックや治療の見直しを行いながら、患者の健康を守ります。

当院でのサポート

蒲田駅前やまだ内科 糖尿病・甲状腺クリニックでは、甲状腺疾患や糖尿病を中心に、内分泌疾患に特化した治療を行っています。当院の特徴は、最新の医療技術を用いた精密な検査と、患者一人ひとりに合わせた個別的な治療プランです。甲状腺疾患に関しては、血液検査や甲状腺エコーを使用して正確な診断を行い、バセドウ病や橋本病、甲状腺がんなどに対して適切な治療を提供します。

糖尿病に関しては、血糖値管理や食事指導、最新のインスリン治療などを組み合わせて、患者の生活の質を向上させることを目指しています。また、内分泌内科全般にわたり、骨粗鬆症や副腎疾患、肥満症など、さまざまな内分泌疾患にも対応しております。

私たちは、患者様とのコミュニケーションを大切にし、わかりやすい説明と、安心して治療を受けていただける環境を整えています。何か不安や疑問があれば、いつでもご相談ください。皆様が健康な生活を送れるよう、全力でサポートいたします。

監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性
日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
日本内科学会 総合内科専門医
豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

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