ADA Clinical Update Conference 2026 に参加して
2026年9月、米国テキサス州ヒューストンで開催された
American Diabetes Association Clinical Update Conference(ADA CUC 2026)
に参加してきました。
ADA CUC は、世界最大規模の糖尿病学会である ADA が主催する
「最新ガイドラインを、明日からの臨床でどう使うか」
に特化した実践的な国際カンファレンスです。前回は、約10年前にNYで開催されたPostgraduate Courseに参加して以来です。
今回の渡航中は、学会の合間に感じたことや現地の雰囲気を
Instagram でも随時発信してきましたが、
このブログでは それらを一つにまとめて、
学会全体を通して見えたポイントを整理します。
今回の ADA CUC で特に印象的だったこと
1.糖尿病診療は「血糖値中心」から完全に次の段階へ
今回、繰り返し強調されていたのは、
「HbA1cだけで患者を評価する時代は終わった」
というメッセージでした。
血糖値だけでなく、
体重
心血管リスク
腎機能
生活背景(SDOH)
QOL
を 同時に見る“総合診療としての糖尿病診療” が
明確に標準になりつつあることを強く感じました。
2.栄養指導は「正解を押し付けない」時代へ
栄養に関するセッションでは、
地中海食
低炭水化物食
DASH
植物ベース食
といった 複数のエビデンスある食事パターン が示され、
「唯一の理想的な食事は存在しない」
という点が強調されていました。
体重減少だけで評価せず、
患者さんが続けられるかどうか を最優先する考え方は、
日本の外来診療にもそのまま当てはまる内容です。
3.テクノロジーは「特別なもの」ではなく「前提」へ
CGM(持続血糖測定)や自動インスリン投与システム(AID)は、
もはや一部の患者さんだけのものではなく、
「使える人には、最初から使う」
という位置づけに完全に移行していました。
これは
患者さんの負担を減らす
低血糖・高血糖を減らす
医療者側の判断精度を上げる
という点で、非常に合理的な流れだと感じます。
しかし一方で、医療費や保険制度の問題も深刻のようでした。
4.肥満・体重管理の考え方の変化
今回の学会では、
体重減少率だけで治療を評価しない
肥満は「慢性・再発性疾患」と疾患であること、
メンタル・社会背景を必ず考慮する
といった点が何度も繰り返されていました。
薬物療法が進歩した今だからこそ、
「数字」より「生活全体」 を診る姿勢が重要になっています。
学会の外で感じたこと
学会期間中のヒューストンは天候にも恵まれ、
街中を歩いているとリスが普通に現れるなど、
日本とは少し違った空気感も印象的でした。
こうした 環境・文化の違い を体感することも、
医療を考える上では大切な要素だと改めて感じます。
今回の学びを、蒲田の外来へ
ADA CUC 2026 を通じて感じたのは、
「世界の糖尿病診療は、
すでに“患者中心・生活中心”へ舵を切っている」
ということです。
当院でも、
最新のエビデンス
テクノロジー
日本の医療制度
を踏まえながら、
現実的で、続けられる糖尿病診療 を今後も提供していきます。
最後に
学会参加中、Instagram でコメントやリアクションを
くださった皆さま、ありがとうございました。
今後も、
「学会で得た知見を、日常診療にどう落とすか」
という視点で、情報発信を続けていきます✨2


